truth

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声にならない声が漏れてしまう。 狂おしい程焦らして、私の唇を割りゼルの舌が私の口内に侵入した。 ゼルの舌と私の舌が求め合うように絡まり、うなじを押され、より深く絡めあった。 「はぁーい、お二人さん!わっ、キスしてる!!」 コカの声が部屋の中に響いたけどゼルは無視して私の唇を貪る。 「こらっ、無視するな!」 ゼルが愛おしげに私の唇から唇を離す。 そして私をギュッと抱きしめた。 「アマネは渡せない。和哉殿の命令であっても…アマネは私が守る。」 「ふーん。契約解約したのに?アマネは僕と新たな契約をしたんだよね?」 コカがウインクした。 え? 契約…したの? 「契約など関係ない!私は自分の意思で側にいるのだ。」 「ふーん。でもアマネは僕のモノだよ?毎日僕に抱かれるアマネを指を咥えて眺めてられる?」 な、何言ってんのコカ…。 反論しようと口を開く。 あれ? 声が…出ない…!! コカ? 「ふふっ、おいでアマネ。」 両手を広げるコカに私は? そんな!! 私の意思ではないのに…勝手に歩き出してコカの腕の中に飛び込む。 いやっ、何これ!魔法の力? やだっ、ゼル…っ!! 「良い子だね、アマネ。」 「やめろっ!」 「さあアマネ、キスをして。」 「やめろウヴァル!アマネを魔法で操るな!!」 ゼルの声が胸に突き刺さる。 コカ…お願い…もうやめて! もう充分ゼルの気持ちはわかったから…お願い! コカは私の顔を覗き込む。 「しょうがないなー。じゃあ僕への報酬は…」 コカが私の額にチュッと口づけて私を解放した。 「ゼル…」 ゼルが私の腕を引き、自分の胸に私を強く抱きしめた。 「じゃあ、二人の気持ちもわかり合えたようだから…僕は行くよ。アマネ、もし…君の不安が現実になって傷ついたら、いつでも僕が慰めてあげるからね。」 コカはウインクすると姿を消した。 「アマネ…ウヴァルと何の契約を?不安とは?」 ドキ!! 「えーっと…、そんなのどうでもいいじゃん!!」 「良くない。アマネは…ウヴァルに身体を…」 「してない!してない!!何にもしてないよ!!」 ゼルが訝しむような視線で私を見つめる。 「一体何を企んでいたのです!まさかアマネは私の心を…弄んだのですか?」 「そ、そんな大袈裟な!!えっと、違うの…これは勝手にコカが…」 私の言葉を遮りゼルの唇が降って来る。
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