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ベルは改めて校舎を見てあることに気づいた。
「この魔方陣は……すごいな」
恐らく独自で生徒たちあるいは教師が研究している防御及び不可視認魔法陣なのだろう。これぐらいの大きさの魔法陣なら見たことはあるが、密度が段違いである。
「どうしたの……ってうわ、すっげ。こんなでっかい魔方陣みたことねぇや」
カイトもまた驚きの声を上げるが注視する点を間違っている。しかし、いままであまり魔方陣に触れたことのない素人がこの紋様を魔方陣と理解できる、それだけでもすごいことでありベルは純粋に関心していた。
「お前、わかるのか」
「う、うん。まぁ、おれ近距離戦闘課入ろうと思ってるけど魔法も好きだし」
カイトは褒められてうれしいのかデレデレ笑いながらベルの驚きの声にこたえる。
その後、歩いている内に寮棟まで十分というのは結構ギリギリに設定されていることに二人は気付き何とか走って間に合ったものの多くの生徒は外で説教を食らっていた。
「ふぅ、よかった間に合って。空いてる席座ろうぜ」
ベルは大汗をかきながら食堂の入り口でへばっているカイトに声をかけるが返事がない。
「おい、どうした?早くいかないといい席がなくなるぞ?」
「な、なんで、ベルは息ひとつ、はぁはぁ、乱さないで、立ってられんだよ」
微かに言葉をつなぎ合わせながらカイトは純粋な疑問をベルにぶつける。
「まぁ、このぐらいの全力疾走なら戦場だったら日常茶飯事だからな」
「一体、ベルって何者!?」
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