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各々が昼食を食べ終わると鈴をを鳴らしたような音が聞こえベルとカイトは前を向くと恐らく一年生の担任教諭と思われる面々が軒をつらねている。その中に一際鋭い視線を送っているスカーレットもいた。
「はい、じゃあ、食事が終わったらこちらに集まるように、ネクタイ配りますからね。ネクタイの色がハウスの色になります。そしたらみなさん自由時間です。外出しても学校探検してもいいですが夕飯までに戻ってきてくださいね」
柔和な顔をしている中年男性教諭が穏やかな顔で生徒たちに話しかけ終え、そのまま席に着きネクタイをまとめ始める。
彼は一見柔和なナイスミドルに見えるがベルは気付いていた。彼があの教諭の中で一番実力が上である。立ち振る舞い一つとっても油断も隙もない。
生徒たちはぞろぞろと自分のクラスの担任のところにネクタイを貰いに行き、ベルもそれに倣いスカーレットの方に行く。
「ベルベッサ=クリストフォーゼ。貴様はフランベルだ。受け取れ」
スカーレットはぶっきらぼうに赤いネクタイを渡し、つぎの生徒の方に向かう。
「ねぇ、ベルはどこだった?」
カイトはネクタイを貰うとすぐにベルの方に近づきハウスの行方を聞いてくる。
「フランベルだ。お前は」
カイトはへへんと胸を張るような仕草をとる。
「黄色のライディングさ。豊かな知識を持つものが入るライディングだよ」
先ほどカイトが言ったようにハウスにも色々な特徴があり、ライディングは豊かな知識、ベルのフランベルは絶対的力と言った体である。ハウスの創立者に関係あるらしく、ライディングは学者でフランベルは伝説の傭兵だったと言った感じである。
「まぁ、いいや。これからベルは予定ある?」
カイトの問いにベルは首を振り何もないことを伝える。
「じゃあさ、学内探検しよーぜ!!絶対面白いって!!」
「いいだろう。部屋の位置を確認したらここで待ち合わせだ。いいな」
「おうよ!!」
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