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「……ネーブル軍事学院、ですか」
ネーブル軍事学院とは学園国家ネーブル自治州にある世界最高峰の軍人教育機関である。世界各国から学生が集まり卒業者には有名な魔法使い、戦士もたくさんおりネーブル軍事学院を卒業すれば将来食うに困らないとも言われている学校である。
ベルも何度か雑誌で読んだことはあり、小さい頃はネーブル軍事学院の寄宿舎で友達と夢を語りながら一晩を明かすのが夢だった。
「そうだ。体術はもちろん、学力でも問題はないだろう」
「……そうですか。わかりました」
ベルは正直面倒であったが、一度学校という物を経験しておくのも悪くはないそう思い父の提案にしぶしぶ頷いた瞬間、父の顔がぱぁーと言う擬音が聞こえてきそうなほど満面の笑みに変わった。
「そうか、さすが我が息子だ。では、部屋に帰って早く準備しなさい。ネーブルはパブリックスクールだから荷物を詰める時間が必要だろう。私は、馬車の準備をしよう」
ベルは父の言葉に耳を疑った。簡単な話である。今すぐ行かない限り、馬車の準備など必要ない。
「それってつまり?」
父は表情を変えずに答える。
「入学式に間に合わないと大変だからな」
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