Scene.1 -古びた人形-

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「あぁ、実は……――――――」 物置に積まれた廿楽や桐箱を開閉しながら、翔琉は嬉しそうに彼女の名前を口にする。 「この前篠田先生に誘われてさ。 一緒に撮影会に参加したらハマっちゃって。」 あぁ、やっぱりか……といった感じ。 「何それ? もしかしてデート?」 気持ちと裏腹な言葉が思わず飛び出す。 冷やかして認められたら堪ったもんじゃない。 だけど少しだけ、事実なんじゃないかという事が頭を過っていた。
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