Scene.1 -古びた人形-

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気付けば空は灰色になり、作業を始めた頃の秋晴れはもうどこかに行ってしまっていた。 黒く分厚い雲が西日を隠している。 陽が当たらなくなった庭の空気は肌寒く、思わず私はぶるりと身震いした。 「寒っ……――――――」 一度振り返り、未だ物置の中で探し物をしているであろう翔琉の様子を確かめる。 カサゴソという物音はさっきのまま。 そっぽを向いた私に構う事なく、翔琉は今もお父さんのカメラを探しているのだろう。
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