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気付けば空は灰色になり、作業を始めた頃の秋晴れはもうどこかに行ってしまっていた。
黒く分厚い雲が西日を隠している。
陽が当たらなくなった庭の空気は肌寒く、思わず私はぶるりと身震いした。
「寒っ……――――――」
一度振り返り、未だ物置の中で探し物をしているであろう翔琉の様子を確かめる。
カサゴソという物音はさっきのまま。
そっぽを向いた私に構う事なく、翔琉は今もお父さんのカメラを探しているのだろう。
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