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ふと、腕に抱いた人形と目が合った。
老朽し濁りが混ざった青い瞳は、真っ直ぐに私の目を見つめている。
まるで、片思いに悩む私の気持ちに共感するかのように。
「どんなに好きでも、叶わない恋もあるのかもしれないね?」
友人に語りかけるかのように、思わず私は人形に向かい微笑んだ。
ぎこちない作り笑顔。
きっとその表情は、笑顔の中に悲しみを滲ませていた。
近すぎるが故に進展しない。
同じ血の通う親戚関係だからこそ、翔琉は私を恋愛対象として見ないのだ。
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