Scene.1 -古びた人形-

23/37
前へ
/121ページ
次へ
「ごっ……ごめんなさいっ!!」 ニヤつく私の顔を見て、静にぃはバタバタと廊下を走って逃げる。 彼は人とコミュニケーションを取る事が苦手。 生まれつき持った“自閉症スペクトラム”のせいで、彼は私たちのように普通の生活をする事ができないのだと聞いた。 鎌塚家を継ぐべき長男は変わり者。 そう周りから色眼鏡で見られてしまう静にぃ。 だから翔琉が代わりになるしかなかった。 鎌塚家の跡取りとして。 それから、黒い噂の多いこの家を護っていくために。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加