Scene.1 -古びた人形-

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「あっ、こら! そうやって早霧(さぎり)は、いつも俺の好きなものを持ってっちゃうんだから。」 不満そうに文句を言いながらも、柔らかく優しい笑みを浮かべる彼。 どんな表情をしていてもカッコイイ。 僅かだけど同じ血が通っているはずなのに、丸顔で鼻の低い私とは大違いのルックス。 私より8つ年上の再従兄(はとこ)。 この地に古くからある、鎌塚家の末息子である彼は、小さい頃から私の面倒をよく見てくれていた。 「だって、翔琉の好きなものは私も好きになっちゃうんだもん!」
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