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「あっ、こら!
そうやって早霧(さぎり)は、いつも俺の好きなものを持ってっちゃうんだから。」
不満そうに文句を言いながらも、柔らかく優しい笑みを浮かべる彼。
どんな表情をしていてもカッコイイ。
僅かだけど同じ血が通っているはずなのに、丸顔で鼻の低い私とは大違いのルックス。
私より8つ年上の再従兄(はとこ)。
この地に古くからある、鎌塚家の末息子である彼は、小さい頃から私の面倒をよく見てくれていた。
「だって、翔琉の好きなものは私も好きになっちゃうんだもん!」
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