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少年───、青年曰く『スノウ』は、自分はヴィンセントだ、と叫んだ。
青年はそれに対してニヤニヤ笑いながらフライパンをスノウの頭に落とす。
「いってぇな! とにかく俺はヴィンセントだ! 」
「そう言ってるけどなぁ、毎日変わってりゃ呼ぶ気にならんよ」
「変わってなくても"スノウ"なんて言ってくるだろが!」
「まぁ、お前はその名前が一番似合ってんだ、しょうがないのさ」
「憐れみのこもった目で言うなぁあ!」
その場で騒ぎ始めるスノウ。青年は更に笑みを大きくさせながら相手をしている。
ちなみにこの青年、なかなかのイケメンだ。
明るい茶髪に緑色の瞳。端正な顔立ちは男らしい。筋肉も鍛えられている。
身長もある。スノウが嫉妬するほどに。
「大丈夫、お前の背なら女って言っても通じ───うおっ!」
「誰がチビだってぇえ!? 言ってんじゃねぇぞコンチクショォオ!!」
「まだ言ってねぇよ!」
自分の身長のことを言われてスノウは素早いアッパーを繰り出した。
それを青年は避ける。
「ハァ.........ハァ.........。お前なんかと話してたら時間がどんどん過ぎる......。だから──」
「俺と話すのがそんなに楽しいのか」
「楽しくねぇよ! もう話さないって言おうとしたんだよ!」
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