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鼻息も荒く青年に歯向かうスノウの身長は、150センチと数センチ。しかも童顔なせいで、見方が悪ければ少女に映る。
身長がコンプレックスとなっているスノウは言われてもいないことを自分から勝手に言い出し、疲れ果てた。
少しでも落ち着こうとするが突っ込みはしてしまう。
歯を食い縛りながら、何を言って相手を負かそうか考えるも、今までに口喧嘩で勝ったことなど少数だ。
勝利するなど、絶望的だ。
「うぅうう......」
「元気出せよ。背が小さくても出来ることはある。お前の得意な料理とか。ほら、これ」
青年の笑顔は女を魅了させる力を持つ。
だが男には無効果だ。
よって、見かけは少女っぽくても本当は男のスノウには効かない。
美青年におたまを差し出されてもスノウは顔を上げて鋭く睨み付ける。
「あのなぁ、確かに俺は料理が出来る。だがそれとこれは別だ。
それにお前───
おたまでフライパン叩くならもっといい音出せよ!」
早くも身長のことからフライパンへと移るスノウの意識。
しかも突っ込みどころが違う。
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