第1章

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『連太郎…』 誰?…… 『連太郎…』 優しい声…… 『気味の悪いヤツ』 『あっち行け、お前なんかと遊ぶわけないじゃん』 「…太郎、連太郎!」 !! 「牧田?…」 「良かったぁ、いきなり倒れたから焦ったよ」 あ… そっと窓に視線を移すと 紅蓮が睨んでいた 『ったく、情けない』 「別に妖を見て倒れた訳じゃないよ」 下校途中、散々紅蓮に愚痴られた 『もうすぐ満月だ、引き込まれるなよ』 「大丈夫だよ、封じの札もあるし呪符も覚えたから」 満月は妖の力が増すと言われ、俺の妖力も増すらしい やれやれ 「はぁ~」 『溜め息をつきたいのはこっちだ』 紅蓮がブツブツと文句を言うのも何時もの事だった 『人の子…』 !! 『人の子だ…』 何か来る! 『連太郎!』 紅蓮が元の姿に戻る、紅蓮は九尾と言う狐の妖だ 『連太郎!鳥居まで走れ!』 自宅までは、ほんのわずかな距離 の筈だった ザザァァッ! 「うわっ!」 『連太郎!護符だ!』 「ご…護符、護符あれ?」 無い! 今朝確かにポケットに入れたのに 『何をしている!』 紅蓮が俺の前に庇うように立つと 『よこせ人の子』 現れたのは 「なっ!」 子供?
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