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土曜日
『今日は楽しみじゃのぉ』
『若にはまだ話して無いのか?』
『紅蓮が孝太郎を怒鳴りつけたとか』
『何やかんや言って紅蓮は、若を大切にしとるからなぁ』
『そりゃそうだ、なんせ若は楓様の忘れ形見』
今何て言った?
パンッ!
障子を勢い良く開けると、誰も居なかった
「………」
逃げたな
「父さん!父さん!」
「何だ大声で」
「父さん、楓って誰」
護符を書いていた父親の手が止まった
「楓はお前の母親だ」
はい?
『楓も来るのに』
まさか…
ゴクン…
「母さんって、まさか妖?…」
俺の妖力が桁外れなのは、妖怪と人間の子だから?
「はぁ?何言ってんのや、母さんは人間や、お前を産んですぐ亡くなった…そりゃあ美人やった、妖力も桁外れでな」
サラッと言ったな今、妖力が桁外れ?!
「紅蓮から聞いた、今夜小池森で花見やそうやな、行っておいで」
ちょっと待て、妖怪の花見に行けと言うのか?
俺が引きつっていると
「今夜は満月、お前の妖力も上がる、母さんと話が出来るやも知れん」
「話し?」
「母さんは妖力の強さうえ、妖に近い存在だった、紅蓮もテンも皆、母さんの式、いや、親友だったのかも知れない」
「はぁはぁはぁはぁ…」
俺は小池森に走った
ザザッ!
小池森は満月に照らされ不思議な景色だった
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