第1章

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土曜日 『今日は楽しみじゃのぉ』 『若にはまだ話して無いのか?』 『紅蓮が孝太郎を怒鳴りつけたとか』 『何やかんや言って紅蓮は、若を大切にしとるからなぁ』 『そりゃそうだ、なんせ若は楓様の忘れ形見』 今何て言った? パンッ! 障子を勢い良く開けると、誰も居なかった 「………」 逃げたな 「父さん!父さん!」 「何だ大声で」 「父さん、楓って誰」 護符を書いていた父親の手が止まった 「楓はお前の母親だ」 はい? 『楓も来るのに』 まさか… ゴクン… 「母さんって、まさか妖?…」 俺の妖力が桁外れなのは、妖怪と人間の子だから? 「はぁ?何言ってんのや、母さんは人間や、お前を産んですぐ亡くなった…そりゃあ美人やった、妖力も桁外れでな」 サラッと言ったな今、妖力が桁外れ?! 「紅蓮から聞いた、今夜小池森で花見やそうやな、行っておいで」 ちょっと待て、妖怪の花見に行けと言うのか? 俺が引きつっていると 「今夜は満月、お前の妖力も上がる、母さんと話が出来るやも知れん」 「話し?」 「母さんは妖力の強さうえ、妖に近い存在だった、紅蓮もテンも皆、母さんの式、いや、親友だったのかも知れない」 「はぁはぁはぁはぁ…」 俺は小池森に走った ザザッ! 小池森は満月に照らされ不思議な景色だった
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