第1章

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花見には続々と妖達が集まって来た 『楓様、お久しぶりでございます』 『人とは何と短いのだ!』 『楓様、留まれぬのですか』 妖達が、眼に涙を浮かべ言う 『留まれば私はまぎれなく悪鬼になってしまうでしょう』 母さんが悪鬼に? 『楓、我がお前を悪鬼にはさせぬ』 紅蓮… 『紅蓮、ありがとう、でも私は人間、妖にはなれぬのです』 ああ、そうか… 紅蓮や他の妖達は、母さんとずっと一緒に居たかったんだ 『連太郎、いらっしゃい』 俺がそばに行くと 『連太郎、これから沢山辛い事や悲しい事があっても、信念を曲げず貴方の思う道を進みなさい、母さんは何時も貴方を見守っています』 母さん… 何かが溢れるように涙が止まらなかった 『楓様』 『楓!』 『そろそろ刻限です』 「母さん!」 母さんは水面を滑るように歩き池の中央に行くと 一度振り返り笑顔で消えて行った 母さん… 『さぁ酒盛りだ!』 『連太郎、何をしている』 何って、お前達さっきまで泣いてなかったか?
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