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『残り十………八……七……六……』
刻々とカウントダウンが減っていく。
『名前当て』開始から、倉梨は一度も口を開いていない。
目を閉じたまま、動かない。
『三……二……一………ゼロ。
制限時間内に回答を確認できませんでした。
これにて第一回「名前当て」を終了します。次回は八月六日、正午に行います』
ピビッ、と。
短い電子音とともに画面から明かりが消える。
「ふぅ。やっと終わりましたね」
大きな溜息をつきながら、倉梨が目を開いた。
「危うく寝ちゃうところでした」
「なんで何も言わなかったんだ?」
倉梨の言葉を無視して問う。
「質問すれば少なからず俺の情報はわかる。そしたら俺が誰かも特定しやすい。
そのための『名前当て』だ。
それなのに何故黙ってた?」
「……えっと…」
「こんな状況、お前だって早く抜け出したいだろ。
それともなんだ。なにか言えば俺が暴力を振るうとでも思ったか?」
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