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「始まったねぇ」
「始まったな」
「始まりましたね」
俺の言葉に、新村、長峰ちゃんが続く。
一階のロビー。
三人ともソファーに腰を下ろしている。
ロウテーブルを挟み、新村が煙草をふかし始めた。
俺の隣の長峰ちゃんは背筋を伸ばし、きっちりとした姿勢で座っている。
モニターなどがあるわけではないので、現在のゲームの進行状況は分からない。
「あの、私と原川さんは参加者の用紙を取りに行くんですけど………。
なんで、新村さんがここにいるんですか?」
「いちゃ悪いか?」
新村は広々と両腕を広げ、天井を仰ぎ見たまま答える。
「出ましたよ。
理由を聞いてるのに、質問に答えず質問で返してくるやつ。
しかもそう来たら『別に悪くはないですけど』としか返せないじゃないですか」
いや、そんなことはないと思うんだけど。
声には出さずの心の中でぼそっと呟く。
まあ、言いたいことはわからないでもない。
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