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「で、なんでここにいるんですか?三崎由乃はどうしたんですか?」
「検査はもう終わった。あとは結果待ちだ。それまで部屋で待機させてある」
新村さんがダルそうに答える。
「あいつといると疲れるんだよ。相手するのが面倒なんだ」
「よく言いますね。抱こうとしてたくせに」
長峰ちゃんが軽蔑の目を向ける。
「なにが『監視カメラはない。あったらこんなこと堂々とできねえよ』ですか。よくもまあ、あれだけ堂々と嘘が言えますね。
ないわけないでしょ」
監禁者の行動はこの施設内はもちろん、一日のほとんどが監視されている。
いつ、なにが起こるか分からないから。
個室、監禁室はもちろん、フロアのあらゆるところに監視カメラが設置されており、四六時中監査役の奴らが見張っているわけだ。
「なんでお前がそんなキレてんだよ。あれはほら、あれだ。
担当として参加者の精神安定を図ってだな……」
「ああ、そうですか。とりあえず新村さんは下衆野郎なんですね」
「今更だねぇ」
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