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「なんでお前らは俺にそんな厳しいんだよ……」
うんざり顔をしながら、新村がタバコの先を灰皿に擦り付けた。
「唯一褒めるとしたら、監視カメラについて教えなかったことぐらいですかね」
「まあ、ほとんどバレてるけどね」
俺の言葉に長峰ちゃんが目を見開いた。
「えっ、本当ですか、それ」
「うん。ここ三日ぐらい、カメラを気にしてる。明らかに気づいてるね。てかこの前カメラに向かってピースしてたし」
「まったく、本当にあの女は油断ならねぇ」
「見つけられるもんですか、あれ。マイク外して最小限の機能だけつけた超小型の奴ですよ?
しかもテレビの中とか火災探知機の中とか、目に見えないところに設置してあるのに」
おまけに新村が「ない」と言った挙句「仕事とプライベートは分ける」とわざと見られていないことを装ったのだ。
普通ならば、意識から外れる。
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