第4章 原川 1

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「別にさほど大きな問題じゃないし、ほっておいていいと思うよ。 気づいたところで、死角があるわけじゃないしね」 俺らの部屋も含め、全ての部屋に隈なく設置されているカメラに、映らない箇所はない。 もちろん、トイレやお風呂も。 この施設にいる以上、プライベートなど存在しないのだ。 「まあ、三崎の話はこれくらいにして………お前らの方はどうなんだ? ゲームが始まったわけだが」 「うーん。別になにもないかな。江山くんはこんくらいのことで動じる子じゃないし。案外楽しんでるんじゃない?」 最近は退屈しているようだったから。 「勝又さんの方はなんとも。こういうのはあまりあの方には向いてないですから、苦戦しているでしょうね」 おまけに聞き出す相手があれじゃあね。 無理難題という奴だ。 「それよりも、私としては九字間自身がルール説明に買って出たことが驚きなんですけど」 「……………………………」 「……………………………」
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