第4章 原川 1

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「言われてみれば………」 「だから説明してたのは九字間じゃなくて、九字間から指示を受けた別の奴だったわけだ。 江山から『お礼』に対して追求を受けたときにはぐらかしたのも、わざとはぐらかしたんじゃなくて、あいつ自身も答えを知らなかったからそうせざるを得なかった」 ただ『君の推測は間違っていない』と言っていたから、一概にも知らなかったとは言えないけれど。 アドリブにしては強く断定しすぎている気がする。 そう考えると本当に九字間だったんじゃないかとも思えるけど………それでもやはり九字がリスクを負ってまで彼らに接触するとは考えにくい。 「あれが偽物だってのはわかりましたけど、じゃあなんでそこまでしてルール説明をしたんですかね? 本当にただお礼を言いたくて?」 長峰ちゃんが腕を組み考える。 もっともな疑問だった。 俺らに任せず、影武者を用意してまで彼らに説明した理由。 接触した理由。 さあ、なんだろうね。
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