第41章:狂い咲き、咲き乱れ

5/44
前へ
/44ページ
次へ
「充さん!!!!」 「野城くん!!!!」 乙女たちはパニックな様子。野城の頭のそばまで駆け寄り、二人同時に しゃがみ込む。 二人がしゃがみ込むと、部屋は狭く、二人とも おしりが周囲の棚のガラス戸と触れそうになった。 野城はうつ伏せのまま、目を開き、二人を見た。しんどそうにしていたが、苦笑いをしていた。 「ハハハ。格好悪いね」 「充さん!何がありましたの?良かったわ、わたくし達が気付いて………」 「君たちこそ、ここに人がいる事をよく分かったね」 「音を出していたから、気付かない訳ないのですわ!」とルナ。 「君はそういう所は凄いね」 と言ってから奈央子を見て「太田さん。無事だったか」と、力なく笑いながら言う野城。 「野城くん………!」 野城はため息を吐いた後 「あの男だ。アイツにやられた」 とポツリと言った。 「えっ」と、同時に反応するルナと奈央子。 奈央子は誰だか分かったようだが、ルナは分からない表情をしている。 野城は低い声で言った。 「太田さん。今この船で、何がおこってるんだ?」
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加