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『いつもここに来てるの?』
『そうだよ』
『僕、芳野っていうの。君は?』
『×××』
ピピピ、ピピピ、ピピピ…
パチッと目が覚めた。
また、これだ。
有坂はベッドサイドで鳴る目覚まし時計に手を伸ばし、アラームを止めた。
大きく伸びをしてベッドから降り、登校の準備を始める。
前にずっと見ていた夢を、最近になってまた見るようになった。
いつも同じ夢。そして同じ所で必ず目が覚める。
何度もこの夢を繰り返し見ているのに、どうしてもあの子の名前が聞き取れない。
記憶の奥深くでは知っているはずなのに、どうしても思い出す事ができなかった。
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