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朝日が絡繰りの瞳を刺激しまた、ゆっくりと今日が始まる。
はずだった。
ガンガンとドアがノックされる。朝は弱いんだ勘弁してくれないか。
リタ『もー、何なの?うるさいんだけど』
煉舞『リタちゃん!!大変なんです!大変なんですよ!!!!』
ノックの主は煉舞ちゃんだった。
リタ『どうしたの、眉毛全剃りでもしちゃったー?』
煉舞『違うんです!!!とにかく開けてください!!!!!』
リタ『はいはい解ったよ…』
馴れた手付きでドアを開けると顔面蒼白の煉舞ちゃんがいた。
リタ『うわぁお、煉舞ちゃん鉄分不足?』
煉舞『……違うんです…私の異能が、異能が使えなくなっちゃったんです……!!!』
リタ『…はぁ…?今何て言ったん自分…嘘だよね?』
煉舞『本当なんです…!ほらっ!!』
煉舞ちゃんが異能を発動させようとするが全く発動する気配がない。
リタ『ちょ…どういうこと…?』
煉舞『他の支部からも同じ事例が寄せられてるみたいで…!…マリネちゃんの異能も発動していないそうです…』
リタ『…原因は?』
煉舞『それがまだ分からないみたいで…』
リタ『そっか…。とりあえずマリネちゃんの支部に行くよ。』
煉舞『了解しました!私から連絡を取っておきます!』
そう言うと煉舞ちゃんは部屋の外へと駆け出していった。
軍服のボタンを付けながら溜め息をつく。
東大帝国が遂に異能を制限するシステムを発動したのか、だとするならこれはかなりまずい状況だ。
今異能者を封じられた西国連邦は完全に苦戦を強いられているだろう。
戦闘は今は出来そうにない、とにかくマリネちゃんのいる支部へいって状況を整理しないと。
誰が仕組んだんだ。
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