天下は脳筋が支えている

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「では、いくらなんでも幽霊との結婚など認められぬということは分かってくれような?」 「は? ごめん、兄者。ちょっと何言ってんのか分からなかった。もう一度言ってもらってもいいかな?」 「えっ? けけけ、結婚、ですかっ? そんな、急に言われてもっ。心の準備とかいりますしっ」 「お前も良く聞こえてないな。兄者って、認められないって言ってなかった?」 「ちゃんと聞こえておるではないか」 「そうだけど。これって俺がもう一回聞きたいって意味じゃなく、兄者にさ、自分が言っている意味をもう一度考えてくれって意味で言ったんだけど」 「ほほう。うぬは、天下一の兵法達者であるこのわし、柳生十兵衛三厳に、とんちで挑もうと言うのだな?」 「言ってないし。どっこもとんちになってないし。どうしてそういう流れになるのか、俺には理解不能だし」 「ふ、分からぬか。まだまだだな、新兵衛。そんな様ではわしには勝てぬ」 「うん、まぁ、意味不明さでは、多分、一生かかっても勝てそうにないことは認めるけど。あと、兄者の脳味噌と腕相撲しても勝てる気がしないけど」 「それって脳筋ってことですねっ」 「はっきり言うなよ。怒られるぞ、お前」
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