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「ねーむーくーなーいー」
「ほら見ろ。だから無理しなくていいって言ったんだ」
「違うもん。まだ眠くないだけだもん。私、ちゃんと眠れるもんっ」
「あーそーかよ。んじゃ、そろそろ本気出してくれないか? 全力で目を瞑ってれば、そのうち眠れるかも知れないし」
「嘘ですっ。私、騙されないですよっ」
「人聞きの悪いこと言うなよ。いいか。眠るには、まず目を閉じないと始まらない。だろ?」
「う。それはそうですけどっ」
「じゃあ頑張れ。俺は寝る」
「あー! 待って待って、しんべー! そうだ! お話しましょうよっ! 話してるうちに眠くなること間違いなしですからっ!」
「話? だってお前、何を聞いても分かりませんって言うじゃんか」
「うっ。それは、その……。そ、そうですっ。新兵衛のことを知りたいですっ。新兵衛のこと、何か話して欲しいですっ」
「ねーよ、別に。俺、ずっとのんびり平和に暮らしてきたし」
「え~? あ、じゃあ、私がお伽噺をしてあげますっ。これで新兵衛もぐっすりですっ」
「いや、お前が黙っててくれればそれでぐっすりなんだけど」
「じゃあ行きますよっ。私、これでも創作話は得意なんですからっ」
「無視かよ。そして、今から作るのかよ……。あー、もー、分かったからちゃっちゃと話してもう寝ろよ」
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