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「わー。賑やかですね、街道はっ」
「いや、普通はもっと静かだぞ」
白昼堂々現れた幽霊は、人々にこれほどのインパクトを与えるものだ。怖がるばかりではなく闘争本能の疼く者や、偏った性的趣向をつい爆発させた者もいたが……、まぁ、これは特殊な例だろう。彼らの子孫は、おそらく名のある萌絵師になるか、異能バトル物のライトノベル作家になるか、一部のコアなユーザーに絶大な支持を受けるようなギャルゲを開発するんだろう。秋葉原にアツい行列を作り出す因子は、この頃からちゃんと存在しているのだ。それがシュタインズ・ゲートの選択である。どの世界線であろうとも、フェイリスニャンニャンさえいれば大丈夫だ。もし万が一のことがあろうとも、アトラクタフィールドの干渉により、世界は必ず収束する。だから超安心するがいい、愛すべきキモヲタの消費ブタどもよ。
当の澄はたくさんの人を見るのが珍しいらしく、ウキウキと辺りを眺めている。周りは大騒ぎになっていたが、新兵衛はもう気にしないことにした。とにかく城には帰らなければならないのだ。隠そうにも手遅れだ。この幽霊、人を驚かせはするものの、危害を加える心配はなさそうだ。これなら、犬猫よりもよっぽど安全に違いない。そう思うと、さっきの話が気になった。
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