記し

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ページをめくって 書かれたものを 消していく こんなの僕じゃない こんなの僕じゃない そう言って ねぇ、消していくのでしょう? 僕は素晴らしくなんかなかった 君もきっと同じだけれど 僕は君が好きだった 君のこと 君より好きだった ページをめくって それを見つける 僕が書いたの? 君が書いたの? もう覚えちゃ いないけど それは確かに僕たちの 存在で 唯一の 証だった ページをめくる音がする 君も鼻を啜っていますか 僕は涙を拭きながら 右手に白いそれを持ち どうしようもない と もうだめなんだ と 言い聞かせた 言い聞かせた こんなの君じゃない こんなの君じゃない 僕であってほしくない 君であってほしくない ぱらぱらとめくる音がする どこか遠くで声がする それが誰かなんて もう僕にはわからないけど 確かにあの日 君がいた 涙を流した僕がいた 次のページをめくったら 真っ白な世界 広がってた
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