1人が本棚に入れています
本棚に追加
ページをめくって
書かれたものを 消していく
こんなの僕じゃない
こんなの僕じゃない
そう言って
ねぇ、消していくのでしょう?
僕は素晴らしくなんかなかった
君もきっと同じだけれど
僕は君が好きだった
君のこと 君より好きだった
ページをめくって
それを見つける
僕が書いたの?
君が書いたの?
もう覚えちゃ いないけど
それは確かに僕たちの
存在で 唯一の 証だった
ページをめくる音がする
君も鼻を啜っていますか
僕は涙を拭きながら
右手に白いそれを持ち
どうしようもない と
もうだめなんだ と
言い聞かせた 言い聞かせた
こんなの君じゃない
こんなの君じゃない
僕であってほしくない
君であってほしくない
ぱらぱらとめくる音がする
どこか遠くで声がする
それが誰かなんて
もう僕にはわからないけど
確かにあの日 君がいた
涙を流した僕がいた
次のページをめくったら
真っ白な世界 広がってた
最初のコメントを投稿しよう!