第1章 禁断の香り

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たちの悪い気分屋め――。 見せつけるように 薄い唇の間に光る鍵を挟み込む。 「くそっ!」 近づいて顎先を押さえつけ 鍵を引っ張り出してやると。 「痛っ……」 鍵の凹凸が唇を傷つけたんだ。 「あ……」 ほんの少し滲んだ赤い血を 細い指先が拭った。
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