第1章

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 「そろそろ失礼します。晩飯まで食わしてもらってホントすんません。」  結局晩飯までご馳走になってしまった。  いや、言ってたけどね?  まさかホントに出してくれると思わないだろ。  まぁ作り始めるまで気がつかなかった俺もどうかと思うんだけどな…  ちなみに焼き肉でした。  美味しかった~!  志田さんはもう俺の中ではすっかりお母さんな感じだ。  「表通りまで送る。」  確かにちょっとココがどこだかわからないから、送ってもらった方が良いな。  「ん~。いってらっしゃい。」  玄関口から志田さんが声をかけると、気のない返事と一緒に、ソファから腕だけ出してヒラヒラと手を振っていた。  「神田さん。今日はありがとうございました。」  見ていないとは思うが一応深々と頭を下げて礼をしておく。  「ん~。気をつけて帰るんだよ?」  再度ヒラヒラと手を振ってくれた。  「朝田。行くぞ。」  志田さんに促されてこの奇妙な空間から出た。
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