第2章

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 そんな寒くないよ~とか言いながら神田さんが志田さんの制服の裾をぐいぐいと引っ張って、志田さんは引っ張られてる裾を一生懸命抑えて…ホントに何やってるんだこの人たち。  「朝田も寒くないよね?」  神田さんが援護射撃を求めてくる。  「朝田も寒いだろ?」  志田さんも援護射撃を求めてくる。  これどうしたらいいんだ?  返事次第では怒らせるかもしれない。  結局正直が一番だな。  「涼しくて気持ちいいと思います。」  「ほら朝田も寒くないって言ってる~。秋良も一緒に横んなろ~!」  「涼しいってことはそんな所で寝てたら寒いって事だ。」  志田さんは抱えていた膝掛け(?)をぎゅっと掴み直して更に縮こまった。  「もしかして志田さん寒いのニガテっすか?」  気になって聞いてみたらめっちゃ睨まれちまった。  「違う。」  ヤバい。怒らせたか…?  「秋良いっつもそれ持ってるじゃない。」  神田さんがソレと言いながら膝掛け(?)を指さした。  「別に寒いのが苦手なわけじゃない。」  なおも険しい顔で話す志田さんは、目で人を殺せそうなくらい神田さんを睨んでるけど、神田さんは全く気にした素振りもない。  「苦手じゃない。」  そんな念を押さなくても…  「えっとなんかすんません。」  喧嘩になりそうで謝ってみる。  神田さんと志田さんが喧嘩なんて始めたら止められそうにない。しかも俺のせいっぽいし。  
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