第2章

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 立ち上がるのがいやなのか志田さんはこっちを見て動かないので近づくとケータイを放り投げてきた。  落としたらどうすんだ!?  「連絡先入れといてくれ。」  そのまままた縮こまるんですね。  志田さん…それで寒いの苦手じゃないとか説得力ないっすよ…  「なんだ?」  「いえ!なんでもないっす。」  じっと見てたら睨まれちまった。  いや…あれは真顔だな。  赤外線で連絡先交換して志田さんにケータイを渡すと同時に予鈴が鳴り始めた。  「5限目始まるんでもう行きます。今度連絡します。」  「ねぇ?さっきから俺の連絡先聞いてこないけど知りたくない感じ?」  志田さんが頷いたのを見て梯子の方に足を向けようとしたら、なんだかつまんなさそうに神田さんがボソッと…  「別にそういうわけじゃないっす!えっと突然連絡先聞かれても不愉快かと思ってですね!」  慌てて取り繕ってみたけど相変わらずムスッとしてる神田さん。  「鋭治が教えてやればいい。」  志田さんはなんて事ないように言うけど神田さんはまだムスッとしてる。  「別に?知りたくないのに連絡先もらっても困るだろうし?」  これは俺が知りたいって言えば教えてやっても良いって事か?  「神田さんの連絡先を教えてもらえたら嬉しいです。」  「無理しなくて良いよ?俺には用ないんでしょ?」  神田さんってジュースかけられても怒んないのにこれで拗ねるとか…甘いもの大好きだしなんか意外と子供っぽいんだな。  「いえ、無理してないっす。神田さんはなんていうか…恐れ多くて、連絡先とか聞いてもいいのかとか思っちゃって。」  そう言えば苦笑して、しょうがないから教えて上げるよってケータイを渡してきた。  この2人他人にケータイ渡すのに躊躇とかしないんだろうか?
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