第2章

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 2人ともケータイにロックかけてないし。  神田さんのケータイを返すと同時に今度は俺の腹が鳴った。  「…………」  「クスッ…朝田お昼食べてないの?」  神田さんに笑われた…  恥ずかしい!  「寝ちゃって購買間に合わなくて…」  結局野菜ジュースだけだもんな。  しかも激マズ。  「しょうがないなぁ。ちょっとついてきなよ。」  「えっ?どこ行くんですか?もう5限目始まっちゃいますよ!?」  神田さんはついてこいって言ったのにさっさと先に降りてしまって、立ち上がった志田さんは俺の肩をポンと叩いた。  「あきらめろ。」  そして降りていってしまった。  仕方なく追いかければ、”ほら早く!”って神田さんに手首を捕まれて引っ張られた。  なんかデジャヴ。  本鈴が鳴って5限目はもう確実に出られそうにないな。  まぁサボるつもりだったから良いんだけどさ。  授業が始まり生徒のいない校舎を迷い無く進んでいく。  せめて帰りのSHRには間に合いますように。  「あれ?ここって…」  たどり着いた先は調理実習室。  不良校でもちゃんとあるんだな。  「明良~!お昼ご飯3人分ね!すぐ食べれるヤツ!」  「あぁ。」  志田さんはいつの間にか準備万端、神田さんは座って足をぶらぶらさせてる。  っていうかその食材とエプロンはどこから?  「朝田も座んなよ~。」  手招きして神田さんの横のイスをポフポフ叩いてくるので、そこに座ると満足そうに笑った。  「良い匂い~!チャーハン?」  「あぁ。」  「すんません志田さん。」  昨日に引き続きなんだか申し訳ないけど…  「鋭治が連れてきたんだ。構わない。」  志田さんのご飯ホント美味しいからかなり楽しみだったりする。  
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