第2章

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 「朝田は学校嫌いなの?」  神田さんが唐突に質問してきた。  なんで今そんな事聞くんだ?  「えっと…好きとか嫌いとかよくわかんないっす。学校は学校ですから。」  とりあえず無難な返事をしてみる。  なんか探り入れられてる?  「学校にあんまりいないみたいだからさ。昨日言ったじゃない。朝田だけ見つからなかったって。それで嫌いなのかなって。」  それをなんで昨日じゃなく今日聞くのか…もしかしてまだ警戒されてるのか?  いや…でも…もしかしたらただの好奇心かもしれない。  神田さんって面白がってるだけな気がするし。  「受験勉強しないでいたら他に行ける学校なくなっちゃって。ココにきたら初日に絡まれて、喧嘩してるうちに同学年に舎弟がいっぱいできちゃって。来づらくなっただけっす。」  学校に来たら先輩に絡まれるし、同学年のヤツらはウザったいし。  ただそれだけ。  学校自体が嫌いな訳じゃないと思う。  「そっか~。じゃあ今日ココにいるのはどうしてなの?珍しいよね?朝来ても昼過ぎまでいることなんてほとんどないのに。」  事情聴取かよ。  てかそんなことまで知ってるんだこの人。  やっぱりちょっと怖いかも。  「たまたま今日来たら今日中に提出のプリントあったんで…あっ!」  忘れてた!  慧待ってるかも。  「どうしたの?まだ一日研修のプリント出してなかった?」  「5限終わったら友達のところ行かないと、待ってるかもしれないっす。研修先ゲーセンにしたって言ってたから別のとこになるかもって言っとかないと。」  ちゃんと先に言っとかないとアイツ後でうるせーし。
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