第1章

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 メイン通りを過ぎて裏道に入ってすぐに俺はボコボコに…  されなかった。  そのままずんずんと進んでいく神田さん。  後ろからは無表情で志田さんがついて来ている。  どこに連れて行かれるんだ?  まさか怪しい事務所とか…!?  どんどんと人気のない道に進んで行くのに腕を掴まれて逃げ出せそうもない。  しばらく歩いていると立派なマンションの前にたどり着いた。  「秋良開けて?」  ホントに志田さんの家に来たって事?  志田さんは無言で頷くとカードキーを通し音もなくドアが開いた。  すげー高そうだぞこのマンション。  「さっ。入って入って。」  志田さんの部屋な筈なのに神田さんは遠慮なく入っていく。  「早くいけ。」  俺はというとポカンとしていたが、邪魔だったらしく志田さんにぐいぐいと押し込まれた。  部屋全体が黒で統一されてて生活感がない。  もしかして一人暮らししてんのか?  とか考えてるうちにシャワーの音が聞こえてくる。  あっ!俺がジュースぶちまけちまったからか!  …ホントはあの噂みたいにヤバい人じゃないのかもしれない。
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