第1章

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 沈黙に神経がガリガリと削られていく拷問に耐える時間がしばらく続いた。  不意にシャワーの音が止まると志田さんがキッチンに立ち何かを作り始めた。  甘くていい匂いがする。  途中で俺のカップにコーヒーのおかわりを入れてくれて丁寧にシュガーとミルクを2つずつ置いてくれた。  しかしシャワーの音が止まってからかなりたつのに神田さんが出てくる様子がない。  それからまたしばらくして…  志田さんがテーブルに大きいマグカップに入ったコーヒーとシュガーとミルクを大量に置いたと同時に神田さんが出てきた。  「いつもタイミングぴったりだね。秋良も座って食べたら?君も。」  「ちゃんと3人分ある。」  志田さん…その大皿に載ってる大量の、もはや山と化しているホットケーキは3人分ですか?  しかもおまけが凄い。  イチゴ・ブルーベリー・オレンジのジャム、メープルシロップ、チョコレート、ハチミツ、ピーナツバター、生クリーム、カスタードクリームやあんこまである。  見てるだけで腹がいっぱいになりそうだ。  「あの…俺… 「食べないのか?」 いただきます…」  どうしたら良いのかわからなくて、どうして連れて来られたのか聞こうと思ったけど、志田さんに遮られた。  
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