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太郎への愛ゆえにディアマンテまでついてきた野下匠が、彼に声をかけようとした瞬間。
「山田君、顔色が悪いが・・・」
教育実習生の一人、ウィルセイに先を越された。
ウィルセイの声かけに応えることすら出来ない太郎の様子を見て、同じく教育実習生のブラッドリーが声をかける。
「ウィルセイ、トイレに連れていってやろう」
「ああ」
最近、一人の女性をめぐってどうにも気まずい関係になっている二人だが、こんな時は自然と息のあった連携がとれる仲でもある。
(うぉぉ・・・何てことだ太郎くん!)
二人の肩を借り、ずるずると引きずられるようにして歩いていく太郎の後ろ姿を見つめ、涙する匠の姿を見て。
「あの二人に任せておけば大丈夫だ、心の友よ」
彼と熱い筋肉の絆を結んだ漢、ボースが安心させるように声をかけた。
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