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―20分後。
鼻水に胃液にその他もろもろを出しきった太郎が、ふらふらとトイレから出てきた。
背景に月やらコウモリやらをしょったその姿は、さながら墓から蘇ったゾンビである。
そんな彼に、ウィルセイは"ディアマンテの天然水"という商品ラベルがついたペットボトルを差し出した。
「山田君、これを飲むといい。少しはスッキリするから」
「ず、ずびばぜん・・・」
・・・ゴクゴクゴク。
太郎の喉を天然水が潤していく。
と同時に、天上から光が射し込み、ラッパを吹いた守護天使たちが地上に降臨してきた。
"タローウ、ヘタレノパワーッ"
・・・ゴクゴクゴクゴク。
更に天然水を飲むと、ついさっきまでほぼゾンビだった太郎の身体をきらきらと煌めく光が包み込み―
"メーイクアーーップ!!"
ツヤツヤキューティクルな茶色い短髪。
汚れを知らないつぶらな瞳。
太郎はあっという間に(本来の)イケメンな姿に変身を遂げた。
役目を終えた守護天使達はラッパを吹きながら天上に帰っていく。
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