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カシャン………… 車を降りて キャリバの取手を伸ばす 「あっ……コレ…… さっきツルが寝たあと 熱海のスーパーで見つけたから 買っといたよ」 袋を受け取り 中を覗く…………? …………?! 「じゃ…… 俺からは確実に連絡するに決まってるけど ツルから連絡してきてくれたら 俺は嬉しいよ? ……楽しみにしてるから」 スペシャル級なイケメンスマイルで ブタちゃんが更に輝きを増す 伸びてきた手が 頭をポンポン…… ………………その大きな手が 滑りながら頬に降りてきて …………親指だけが ………そっと ………私の下唇を横に撫で 切なそうな瞳で私を見上げる 「おやすみ」 囁くように言い 触れていた手が離れていく ハンドルを掴む手を見つめる その手の温もりを知ってしまった私は 明日から 自分の体温が保てるの? 車は動きだし テールランプを見送ると …………なぜか切なくなる 長旅だったな…………と、ひとりごと
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