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チャリン……
ポケットから300円……取り出して……
「…………コーヒー買ってこいよ」
「自分で払うからいいよ……」
手を押し戻す
店内に入り
カフェラテを注文……
あんな目立つとこで
コーヒーなんか飲んでいいのだろうか?
「お待たせしましたー」
トレーを受け取り外へ行く
うわっ……
あの人……会社の人……
名前は知らないけど
顔は知ってる社員が
ブタちゃんの向こう側を通過していく
ビクビクしながら
ブタちゃんが勧める椅子と反対側の
柵が背になる椅子に座る
「お疲れさま」
灰皿には5本の吸殻
「いつから……待ってたの?」
「直帰だったから
10分前ぐらいかな
今日さぁ~~………
…………でね?
………とかでさぁ~~……」
ブタちゃんが楽しませてくれているのに
どーも背中が落ち着かなくて
…………話も半分位しか聞き取れない
クスッ……と笑い……
「アイツがここを通らないか……
……気にしてんだろ?」
「…………?!」
気になるのは
会社の人ではなくて
…………啓介
「………………まぁね」
……と、言いながらも
でも、違うんだ…………
一方では
噂が流れて
啓介の耳に入って欲しい……
今、ここ通過して
私とブタちゃんを見てくれないかな……
それで
ヤキモチ焼いてくれないかな
……と、子供みたいなこと
願ってみたりしてる
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