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ツルの唇の隙間から サングリアに入れた オレンジの香りが漂い …………鼻先をくすぐる 柔らかい唇に触れる ほんの少し手前で……… 「ま……待って……」 オレンジの吐息が …………ストップをかける ここさえ突破できれば あとはジワジワと侵食していけるのに 「なぜ?」 俺も吐息で静かに尋ねる 頑丈な壁は まだ俺の侵入を拒み続ける 「今日、イライラしっぱなしで…… まだ、私の中に 啓介がウロウロしているの…… それをブタちゃんで覆い隠しても きっとどこからか 滲み出てくると思うの 時間が過ぎれば 啓介に関して 何も感じなくなるから…… 勝手な事を言ってるの…… ……わかってるんだよ? だけど…… それまで…… もう少し…… このままの二人じゃ……ダメかな?」 それは……どれくらい? …………クスッ …………また弱気になっている どれくらい?……じゃねーよ
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