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ツルを待っている間 この髪型も似合いそうだな…… などなど…… 美容院に置いてある雑誌を読みながら ……ブツブツ 髪は絶対黒髪! それだけは譲れない 「葛西さんの彼女なんですか?」 サービスでコーヒーを運んできた 髪を青く染めたお姉ちゃんに言われた 「…………かわいいでしょ?」 ……客に言われて 首を横に振る店員はいない 自分から連れの子を 今みたいに自慢したことは 過去に1度もない 他の奴に誉められても 嬉しいと思わなかった 女は、ただのアクセサリーだった…… ツルの後ろ姿に視線を送ると 鏡越しにオーナーと目が合い 振り返り 『このぐらいでいい?』 ……と、俺に確認 『うんうん』……その長さだよ…… ……って、あれだけ細かく言ったんだから 言われた通りにカットしてくれなきゃ困るよ 出来上がり図が早く見たくてウズウズ かわいいよな…… ……ツルだけは ホントにかわいいと思う 簡単に手に入らないからなのか? ツルの隙を狙う事が楽しいのか? 日に日に……気持ちが膨れ上がっていく 「あそこのパスタ屋って、日曜もやってたっけ?」 「んーーっとぉ……確かぁ~~ あぁ……花が外に出てるから、やってるみたいですよ?」 背伸びをして、窓から覗きながら教えてくれた ランチはパスタで決まり……
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