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ペットボトルのお茶を
グラスに注いでたら……
「どっちがいい?」
ツルのバッグから
四隅をプードル型に小さく抜いた
分厚いフェルトのコースターが出てきた
ピンクと黒……
クスッ……
2色しかなくて、俺に選ばせるの?
「じゃあ~~……俺、ピンク!」
「えーーー?!
男の子は黒にしなよぉ~~」
「言うと思った……」
笑いながら
くだらないやりとりを楽しむ
ピンクの服や鞄は見たことないけど
ツルの持ち物には
ピンク系がやたら多い
ド派手ピンクじゃなくて
淡い桃色が好きらしい
ポーチ、手帳、定期入れ……
キャラメル色のバッグから
淡いピンクのハンカチが顔を見せる
「美容院のオーナーさんの子って……
どんな顔してたっけ?
恥ずかしい攻撃は受けたけど
その子の顔……思い出せなくてぇ~~」
「ホラ、白石の学年の子だよ
お前も負けずにやり返してたと
俺は思うけど?」
当時、一番優秀な生徒の名前を出せば
自然と繋がっていく
「白石君かぁ~~……あぁ……
なんとなく思い出した
坊主頭のちっちゃい子だっけ?」
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