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あぁ……ダメだ……壊しちゃうかも……
いや、俺の心臓の方が先に壊れるかな?
こんなの初めて…………
手に入れるまでの駆け引きを
楽しんでいた時とは違う
不安定な緊張感
これは絶対に忘れない
……と、全身に刻み込む
「やっと………千鶴を掴まえた……」
こんだけ待ったんだ
長い年月だったよ
土木作業とはおさらばできる
「ブタちゃん……」
「クスッ…………それも、おしまい……
…………琢巳だよ」
あと……ほんの数ミリ……
瞳を静かに閉じる千鶴が見えた瞬間
距離がゼロになる
千鶴の唇は固く閉じたまま
でも、柔らかい……
触れるだけで離れると
俺の唇を見つめている千鶴……
そのあとから目が合うと
恥ずかしそうに俯く
もっと欲しくなった?
もっとあげるよ……
だから……
もっと……もっと……
…………俺に千鶴をくれ
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