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長いキスの後……
友達の時間が長かったから?
……急に
……テレくさくなり
……顔……見られたくなくて
黙って抱き締め続ける
「た……琢巳……?」
聞きなれた声なのに
聞きなれない呼ばれ方で
…………ドキン
呼吸を整え
「……ん?」
…………冷静なフリ
「あっ……違うの……なんでもない……
…………呼んでみたかっただけなの」
お前………………それ、反則…………
胸から引き剥がし
千鶴を見る…………
「…………?!」
「何?どーしたの?」
かわいい千鶴がいたはずなのに……?
胸元から顔を上げて微笑んでいたのは
…………俺が探し求めていた
『俺好み』の女だった
はぁ~~……
俺の負けでいいや……
「夕飯、何にしようか?」
現在、花道を敗走中
……逃げ道を探しながら聞いてみた
「ん~~……
ごはん炊いてぇ~~……
……あっ!
手巻き寿司なんかどぉ?」
「いいねぇ~~」
キスだけなのに
スペシャル級に緊張していた心を
必死に戻そうとする
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