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……油断していた
心の隙間に
元カレが突如
ムクムク出現
あの時のショックは
今でも忘れられない心の傷
ｲﾗｯ…………
忘れてたのに
お母さんの無神経なひとことで
心が崩れそうになる
あのとき…………
あまりの衝撃で
しばらく寝込んだし……
何もかもどうでもよくなってしまった
誰に対しても
不信感を抱くようになって
確かに……
別れたことさえ親に伝えていない
お母さんの言う
『例の彼』とは……
…………間違いなく『元カレ』
「隼人がさ……」
「お兄ちゃんがどーしたの？」
転勤先で知り合った
保育園の先生と結婚して
……もうすぐ３歳になる女の子がひとり
啓介と同い歳で……
私の5歳上の兄……
現在、お兄ちゃんファミリーは
転勤先である
お嫁さんの地元に住んでいる……
ｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟ………
今すぐにでも
風呂に行って化粧を落としたいのに
お母さんが
お兄ちゃんの話を始めてしまったから
厚い顔をぶら下げながら……
仕方なく……
お母さんの湯呑みに緑茶を入れ
自分の湯呑みにも……
「あら、ありがと……」
元カレの残像を必死に消すため
動いていないと
自分が保てない
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