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時刻は20:30 改札の前で手を振る千鶴を見つけ 「ツ~~ル~~ぅ」 甘えた声で俺が呼ぶと すぐに反応して 「ブタちゃん、お疲れ様~~ 今日は営業マンには辛かったでしょ? すっごく寒かったよね」 ニコニコ…… あぁ幸せだなぁ~~ ……愛をカミカミ噛み締める 「今日はどんな日だった?」 愚痴も含め 朝の困った事から全部伝えたいけど 会えなかったふたりの時間を埋める方が優先 乗り換えで階段を降りながら 千鶴の『今日』を聞いてみる 「課長が引越すんだって」 「……どこに?」 地方に飛ばされることを期待したが? 「この沿線のどこかを探してる ……って、言ってたよ まだ決まってないけど」 「………………?!」 なんで? ちょっ…… なんで俺たちの周りをうろつくんだよ! 別に俺が金を出してやるワケじゃないし? どこに住もうと? それは課長さんの自由だが…… 「…………。」 無言になる 電車が動きだし 「前に送ってもらったじゃない? あのとき、駅周辺の雰囲気がいいなー ……って思ったんだって あっ……でも…… ここら辺、家賃高いですよって言っといたから」 変なオーラを放出させてる俺に 当たり前に気を使う千鶴 …………ごめん 早く家に帰りたい
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