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私のキャリバに
啓介のボストンを乗っけ
ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…………
片手でキャリバを引き
片手で私の手を引く啓介
目が合って微笑み
啓介に導かれていく
長野じゃなくてもいいじゃん？
好きな人と一緒なら
どこにいたって幸せなんだよね
…………緩みっぱなし
ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…………
…………………………なのに
えっ…………ここ…………？
絡めた指が外され
優しく私を見てから…………
…………そっと肩に手が回り引き寄せられた
『ｲﾗｯｼｬｲﾏｾ』
機械の声……
ラブホテル……
…………贅沢なこと言わないから
せっかくの記念日
ここだけは…………イヤ……
……言えないまま部屋へ
「シャワー浴びてこいよ」
「……啓介がつかれてるんだから
先に使ってよ」
「んーー……だな……ビールでも飲んで待ってて？」
……ビールは苦手だから
シーーーーンとした部屋を見回す
どーしよう……
二世帯住宅の話も切り出せないまま
ここまで来てしまった
もっとちゃんと、話がしたいのに……
…………ﾋﾟﾛﾝ
ラインだ……
鞄から引きずり出すと
ブ……ブタちゃん？！
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