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「今日、塾……どう……だった?」 恐る恐る……聞いてみた…… 「『なんでブタミ先生が来てるんだよ!』とか『ツル先生は?』……って、そればっか 知らない子まで、ツルに会いたがってた」 嬉しい話なのに ニコリとも笑わない 棒読みのタクミが怖くて 「そう……」 ……としか言えない 「はい、次は千鶴の番! 会社、どうだった?」 「フツー……かな?」 ビミョーに距離をとりタクミを …………チラ見 当たり前にこっちを見てるから 当たり前に目が合う 「あっ……」 手が伸びてきて グィーーと引っ張られ シンクの三角コーナーの前に立たされる 「なぁ?これ……何?」 「あーー……今日は……忙しくて…… その……時間がなくてね? お弁当食べ損ねたの……」 「じゃあ、アレは?」 ……と、テーブルのお皿をアゴで指す 「……あれは……お…お皿……?」 はぁ~~…… 大きくため息をつかれ 1番近い椅子を引き寄せ …………座らされる もう1つ引き寄せ ドカリと私の膝を挟む位置に タクミが座る 「ちょっ……」 両手首を掴まれ タクミの両膝にガシッ……と置かれ 前屈みになってしまう この体勢キツイんだけど? 言いたいけど……ッ……堪える クィ……アゴに指をかけ持ち上げられた ………ウワッ………超至近距離! 「あの女に廊下で なんて言われたんだよ?」 「えっ……? なんで、そんなこと知っ…………あっ!」 ……ニヤリと笑う 油断した……! タクミお得意のブラフにかけられた 「………………。」 「………………。」 目を逸らすけど 視界に移動してきて タクミアゲイン 再び逸らすけど …………もう、遅い 「いいから早く言え」 声は不機嫌だけど チラリ……タクミを見上げると 「…………!!」 そこには いつもみたいに …………優しく微笑むタクミが居た
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