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俺の首に腕を回し引き寄せられる 耳元で 「はい……」 わかりやすい返事は 俺の脳に ダイレクトに伝わり 記憶が薄れたりしないように 強く刷り込まれた 極上の甘い笑顔で 千鶴の頬を両手で包む 「愛してる……この先もずっと……」 千鶴の瞳から まばたきと一緒に一筋の涙が溢れ ……俺の親指を伝う 「……ゴメン……すごく嬉しくて」 謝るなよ 俺だって 泣きたいぐらい嬉しいんだから 千鶴の左手を掴み 電気にかざしてみる 薄暗い部屋の小さな電気でも キラキラ輝くダイヤ 「ジャストサイズだろ? 毎日触れていたから……完ぺきだ」 「クスッ……いつものタクミだ……」 向きを何度か変えて キラキラを楽しんでいたら 「とってもキレイ…… ……ありがとうタクミ」 笑顔でお礼を言われた 俺…… それ、一番好き
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