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塾の空気にも数日で慣れた 「あれーー?今日も来てんのぉ?」 「ねぇ、ツル先生は?」 どいつもこいつも…… 「真面目に勉強したら 会わせてやってもいいけどなぁ~~」 「ウワッ!汚ったねーー! 性格悪いと ツル先生に嫌われるぞー?」 るせーーよ! 知らねーだろぉぉ? 俺たち結婚するんだ 羨ましいだろ? フンッ……お前らこそ諦めろ! 職員室のカウンター前で 大爆笑していたら…… 「用が無いなら、早く帰んなさいっ!!」 ウワッ……びっくら! 宇田川さんかよ なんでいきなり怒鳴るんだよ せっかく盛り上がってたのに 急に笑顔が消えて 不機嫌な顔で子供たちが帰って行く 子供の反応見てると 宇田川先生に対して あまり好印象ではないらしい 「葛西先生? あんなのといつまでも喋っていたら 時間の無駄ですよ? 父兄も心配しますし……」 『あんなの』……って…… ちょっとぐらいいいじゃん? 子供とのコミュニケーションなんだし…… 明るいのは 飲み会だけなのか? 「明日からゼミの合宿でお休みしますけど ……大丈夫ですよね?」 えーーー?!……聞いてねーよ 予定表を確認するが……空欄…… 塾長ぉ~~ ……宇田川さんのこと忘れてんだろ? ゼミ合宿に文句はつけられないし…… 「はい、大丈夫ですよ 引き継ぎだけメモでお願いします」 …………ンーーー 今の俺の裁量で ゴリ押しで頼めるのは唯一ひとり 『ツル先生!! 17:30~18:45まで小学生の国語(木金) 19:00~21:00まで中学生の国語 木、金、土……どーかお願いします』 携帯に送ってみると ソッコー返ってきた 『テキスト持って帰ってきて』 やっぱツル先生サイコー ありがとうございます
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